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事故防止の考え方

  私たちの園では、「チャレンジする心、チャレンジする子を応援する心を育む」保育理念としています。子どもたちはたくさんのことにチャレンジしてほしいと考えていますし、そのような環境づくりや保育実践を実際に行っています。

 一方で、保育園で決して起きてはいけないのは子どもの死亡事故です。あるいは、身体の重篤な損傷をまねくような深刻な事故です。そのような事態に至るかもしれない、交通事故や転落、誤嚥窒息、溺死を招くような深刻事故が生じる可能性があるならば、子中保育園では子どもたちにチャレンジを禁じること、機会を与えないことがあります。保育理念は非常に大切にしていますが、子どもたちの<命>を守るのはそれ以前の課題です。

 機会を与えないことや禁止に対し、「子どもの意欲を失わせる」「子どもの成長機会を奪う」「子どもの心を傷つける」という意見もあることと思います。深刻事故を懸念しなくてもよい大規模園であれば、職員数も十分いて気にならないかもしれません。その上で、子どもの心を傷つけることが一番悪いことだという判断をされる場合もあるかもしれません。これだけ社会が多様化していれば園の方針や状況によって考え方も色々あると思います。そして、それぞれの園の考え方を保護者のみなさまも納得して選ばれることが大切だと思います。

 深刻な事態に至らずに、子どもたちができるだけたくさんのチャレンジを体験できるように、子中保育園では次のような取組みや安全に対する考え方を実践しています。

参考図書:掛札逸美著,子どもの「命」の守り方,エイデル研究所,2015

日常保育

 ・乳児突然死症候群(SIDS)予防のための;

 - 0歳児(5分ごと)、1歳児(10分ごと)の呼吸確認

   - あお向け寝の徹底

 ・誤嚥窒息防止のため;

 - おもちゃのサイズチェック

   - お散歩バッグの導入による部屋でのドングリ散乱防止

  参考例)子中保育園ブログ「こなかっこ通信」記事「危険防止のアイデア ~お散歩バッグ~ 」
      https://blogs.yahoo.co.jp/konaka_hoikuen/49774091.html

 ・打撲予防のため柱へのガードクッションの設置

 ・噛みつきや引っかきは、子どもたちが集団生活をしている以上、少なからず生じてしまいます。しかし、習慣化してしまうような、あるいは深い傷が残るような、噛みつきや引っかきについては出来る限り減らすため、頻繁に噛みつきや引っかき行為をしてしまう子どもに対しては、保護者とよく情報交換をさせていただきます。こういった行為は、子どもたち同士の単純な諍いだけが原因では無いことが多いからです。ご家庭とともに共に取り組んでいくことが重要だと考えています。

給食

 ・食物アレルギーによるアナフィラキシー症状予防のための;

 - 入園時の食物アレルギーに関する聞き取り

 - 配膳時の声出し確認の共有、配膳トレーの区別

 - 過去にアレルギー症状があった子どもの保護者との情報共有

・誤嚥窒息防止のため;

 - おやつや給食で白玉団子やピーナッツを出さないこと

   - ミニトマトはやぶどうは丸ごとでは出さないこと

NEW 散歩

  大津で、散歩中、歩道に停止していた保育園児および保育士の列に自動車が追突するという痛ましい事故がありました。この事故を受け、保護者からの要請により散歩の自粛や禁止を決めた園もあると聞きます。しかし、散歩や園外での遊びは、子どもたちの心身の発達のために、とても大切な活動です。 とはいえ「事故を起こしません」とお約束することはできません。人間社会に生きているうえで絶対なる安全は無いからです。絶対なる安全は無いという前提のうえで、私たちは下記のような対策を取りながら、子どもたちが遊び、学び、育つ環境をつくっていきます。

●散歩全般の注意点および対策

◎子ども同士で手をつなぎ2列で歩く

(手をつなぐと急な飛び出しや駆け出しが回避できる。手をつなぐ組合せは、子どもの発達や状態からできるだけ安全な組合せを考える)

保育士は列の先頭、中央横(車道側)、最後尾に付く

◎危険回避のため間隔を空けずに歩く

◎車が来て止まる際には保育士は子どもから目を離さないよう身体を子ども側に向け、車の様子を確認する

◎散歩車やベビーカーについても上記同様に対応する

◎散歩者やベビーカーについて、坂道・段差のある所は保育士2名で対応する

個別の散歩ルート上の注意点については、散歩マップを作成して共有しています。


木登り

  木登りは、慎重な子どもや怖いと感じる子どもは自分からチャレンジはしません。自分であえてチャレンジしないことも良い選択だと考えています。ただし、登りたいと思えば、1歳児からでも切り株や低い木に座ったり、よじ登ったりする木登りのまね事をさせます。2歳児以上になると、木登りや小山の登り滑りなどで擦り傷、切り傷ができることは頻繁にあります。これらについてはご容赦くださいますようお願いいたします。

子中保育園ブログ「こなかっこ通信」記事「木登り大好き」
https://blogs.yahoo.co.jp/konaka_hoikuen/49968710.html

 また、木登りしたいと思う子どもを適切に援助できるよう、保育士たちもネイチャー・プロデュサーの長谷部雅一氏の研修を受けています。

子中保育園ブログ「こなかっこ通信」記事「保育士、遊びの先生に遊びを学ぶ(1)」
https://blogs.yahoo.co.jp/konaka_hoikuen/49862834.html

子中保育園ブログ「こなかっこ通信」記事「保育士、遊びの先生に遊びを学ぶ(2)」
https://blogs.yahoo.co.jp/konaka_hoikuen/49863282.html

 しかし、一方で、木登りは転落すれば頭を打つなどの大事故につながることがあります。そこで、人の話を聴く、注意を守るといった構えができていない子どもに対しては、「お話を聞けるようになったらね」と言って禁じることもごくたまにあります。これは、子どもの意欲を失わせる以前に深刻事故の予防と捉えています。

NEW プール(2019年度からプールを廃止します)

 これまでにも、プールの溺死事故を防ぐための様々な対策を立ててきましたが、最近では下記のように大腸菌への感染症対策も必要になってきました。また、私たちの園は古い施設であり、プールが屋外で屋根も無いため、プール活動に関しては昨今の異常気象に対する熱中症対策がとりにくい状況です。したがって、私たちの園では、今夏(2019年)から継続的にプール活動(子どもを複数、貯めた水の中に入れるすべての活動)を止めることにしました。園庭、畑、駐車場での水遊び、泥遊びはこれまでのように積極的に行います(この活動の様子は保育園ブログ「こなかっこ通信」やホームページをご覧ください)。廃止の理由は下記のとおりです。

理由1:『保育所における感染症対策ガイドライン(2018年改定)』(厚生労働省)に「排泄が自立していない乳幼児は、他者と水を共有しないよう配慮する」と記されています。過去には保育園のプールで大腸菌の集団感染も起きています。プールの監視体制を甘くしないため、かつ、各クラスの保育の質を下げないためには、3~5歳児、1~2歳児の各年齢ごとのプール遊びが困難な状況です

理由2:過去数年間、ほぼ毎年、幼稚園・保育園でのプールの死亡事故が起きています。先日のような園児の交通事故よりも高確率です。内閣府の安全ガイドラインでは「監視をおく」という注意事項がありますが、具体的かつ効果的な監視方法は提案されておらず、子どもの死亡時には園だけでなく監視保育士の責任となります。「万全を尽くす」と申し上げることは簡単ですが、お預かりする子どもたちの命が失われた場合、命に対する責任を取りきることは決してできないと考えます。保育士、職員の心にも傷を残します。


 子どもたちの命と健康を守るため、園内でよく話し合った上での決定ですので、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。


遠足など園外の活動

  遠足や園外行事など非日常的な園外の活動では、道路への飛び出しによる交通事故、乗り物や建物の2階席などからの転落など深刻事故につながる事態が想定できる場合があります。園内や日常的に使用している公園等とは異なり、子どもたちにとっても遊びなれていない場、保育士にとっても通常よりも危険度が予測しにくい場、あるいは人手が分散するため日常よりも眼が届きにくくなる場では、余計にそのような事態に対して慎重になる必要があります。

 そのような活動がある際に、様々な理由から子どもが落ち着きの無い状態、話や注意が聞き入れられない状態である場合、子中保育園では保護者の方に事前にご相談し、参加を見合わせる、あるいは保護者の方々に同伴していただく等、対応を考えます。園ではもちろん、この選択をできるだけしたくない、子どもたちに貴重な体験をさせたいと考えているため非常に慎重に判断します。しかし、危険予測ができるにも関わらず対応しないのはむしろ園の怠慢であると考えます。

 園でももちろん子どもの落ち着きの無い状態に対して無策ではありません。下記のように、さまざまな方法で子どもとの意思疎通を図ります。

子中保育園ブログ「こなかっこ通信」記事「図解というコミュニケーションツール ~アメリカの人に英語で話すのと同じ~」
https://blogs.yahoo.co.jp/konaka_hoikuen/49896423.html

 ご家庭と集団生活をする保育園では、子どもたちの様子は異なるかもしれません。日頃から、園での様子をお伝えし、状況を共有することに努めています。